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【事 案】 子どもが義理の親の入院時に保証人を引き受けたり葬儀を取り仕切ってやったとき、遺産はもらえるか?新ネタ

【結 論】 親類縁者として通例のことであれば、特別の縁故にあったとはいえず遺産はもらえない。(大高決S46.5.18)

 一般的に、配偶者の親(義理の親)の相続人にはなれません。
 それでは義理の親の面倒をみてきたときでも、相続について何の主張もできないのでしょうか。どの程度の関係が必要かが問題となりました。
 民法には特別縁故者という制度があり、亡くなった人と生計を同じくしていたり、療養看護に努めた者が請求すれば遺産をもらえることがあります。

 本事案では、義理の母親が亡くなった。義父も自分の配偶者も他界しており、実の親のように義母の面倒をみたつもりなので、自分は特別縁故者にあたると相続財産分与を請求したものです。
 請求者は、亡義母に自分の子の面倒をみてもらったり共に食事をすることも多かった。財産の管理について相談を受けた。入院時に保証人を引き受けた。葬儀全般を取り仕切り、埋葬まで行ったなどと主張しました。
 これに対して裁判所は、子の面倒をみてもらっていたのだから、亡義母に夕食などを供したりするのはむしろ当然のことである。入院時の保証人引き受け、葬儀万端の世話をしたり埋葬手続をすることは、親類縁故者として世間一般通常のことであって、相続財産の分与を請求し得る特別縁故者にはあたらないとして請求を認めませんでした。

 では、どんな場合なら特別縁故者だと請求できるか。いずれも下級審ですが、内縁関係、戸籍には乗っていない事実上の養親子、認知されていない子、もらった報酬以上に看護に尽くした付き添い看護師などで認められたケースがあります。
 この事案で裁判所は、特別の縁故について、亡くなった被相続人との間に具体的且つ現実的な精神的・物質的に密接な交渉のあった者で、相続財産をその者に分与することが被相続人の意思に合致するであろうとみられる程度としています。
 その事情を、どれだけ具体的に裁判所に理解してもらえるかにかかっているようです。

 いずれにせよ、例えば相続人がいないのであればそれは事前に分かるはずだし、被相続人が精神的・物質的に助けられ相続財産を分与する意思があるのであれば、遺贈する旨の遺言書をつくってもらうのが最善の策です。

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