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【事 案】 動物飼育禁止の規約があるマンションで、犬猫を飼う住民に対してどんな措置をとれるか?

【結 論】 規約に反する不法行為として損害賠償請求ができる。(最判H10.3.26)

 昨今のペットブームで、マンションでも犬や猫を飼いたいという方が多いのではないでしょうか。とくに高齢者や単身の方々はペットに癒されることも多く、認知症の予防にもなるといった意見も聞かれます。たしかに動物を飼育する自由は憲法13条で保障されているとの主張もあり、孤独感を癒してくれるペットの存在価値は否定できません。

 しかし裁判所は、マンションでペットを飼う自由と共同生活の利益を比較衡量したうえで、糞尿による汚損、臭気、病気の伝染、鳴き声による騒音など建物の維持管理上生ずる様々な問題などを優先させ、ペットを飼うことは組合規約に反する不法行為だと判示しました。
 管理規約には小動物可としか書かれていないのに、不動産広告では大々的にペット可と謳っている例なども散見されます。

 別の事案では、分譲マンション販売にあたってペット飼育の可否をあいまいに説明したため、飼育可能と信じた購入者と飼育不可と信じた購入者のあいだで紛争が起きたものがあり、不動産業者に損害賠償が命じられたものがあります(大分地判H17.5.30)。
 信頼できる業者選びは物件選びにも増して大切ですし、とくに物件購入は大きな買い物ですので、購入前には管理組合や管理会社に直接問い合わせるなど慎重に進める必要があります。

 ペット飼育に限らず、マンション管理にあたっては他の住民に迷惑となる行為をしたり、反社会的勢力が関係して平穏な生活が脅かされるケースなども想定されます。
 そのような問題に管理組合が対応するにしても、誰が防犯カメラをチェックするのか、どんな内容で違反者に申し入れをすべきか、住民の関係を円滑に保ちつつどのように総会を運営するかなど細かなことが問題になります。
 守秘義務を守り、これらの仕事を任せられる公正な第三者として行政書士の活用も検討してはいかがでしょうか。

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