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【事 案】 陽当たり良好な物件を買ったら隣に高層ビルを建てられてしまった、不動産屋に損害賠償請求ができるか?

【結 論】 高層ビル建築予定の告知義務違反があれば、賠償請求できる。(最判H11.9.8)

 不動産取引が他の物の売買と大きく違うのは、不動産取引では仮契約、契約、登記、引渡しなどいくつもの段階的手続を経て行われるところです。不動産売買契約をしたその場で、ハイ引渡しといった例はなかなか無いでしょう。
 では契約の段階それぞれに応じて売主はどのような責任を負うか、また一方当事者の買主が責任を負うことはあるのでしょうか。

 本事案では、不動産業者の説明責任が問題となりました。隣地に高層ビルが建つことを十分買い主に説明しなかったので、これは業者の告知義務違反にあたり、買主の判断を誤らせたとして損害賠償請求(ただし、買主にも相応の責任があるとして5割の過失相殺にとどめた)が認められました。
 ここでいう告知義務は、一般の売り買いすべてに当てはまるものではありません。本質的に専門知識や情報をもっていなければならない不動産業者であれば、当然に隣地の情報も押さえておく必要があること。さらに本事案では、買主が陽当たりが良い物件がよいという希望も述べていたので、そのような買主の要望も踏まえて物件の説明をしなければならないとされました。

 他にも不動産業者の説明責任は、火災や自殺があった事故物件、ペット飼育の可否、よく苦情を言う隣人の存在などかなり広範囲に及んでいます。多少しつこいと思われるぐらいに説明を求めても、後々それが売り手にとっても良い結果になることもありますので、買主は十分説明を受けるよう注意と努力を払うべきと考えます。

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