全画面で読む     全画面を閉じる
【事 案】 土地を買った後で、実際の面積の方が大きかったと差額を請求されたとき支払わねばならないか?

【結 論】 売主が代金の増額請求をすることはできないから、支払わなくともよい。(最判H13.11.27)

 いわゆる単価と目方で値段を決める売買契約(数量指示売買)では、原則として 単価×目方(数量)=値段(価格) となります。もし数量が契約書に書いてある数字より小さかったときには、買主は、売主に対して損した分を返せと請求できて買主は保護されます。(最判H13.11.22)
 では売主側も買主と同様に保護されるのか、実際に取引した数量が契約書に書かれていたものより大きかったら、その差額分を払えと売主が言えるかどうかが問題となりました。

 売主からの差額分を払えとの主張に対して裁判所は、売った土地の面積が契約書のそれよりも広かったときでも、超過代金を追加して支払うという内容が契約書に明記されていない以上、売主は代金の増額請求はできないと判示しました。売主は保護されないということです。
 売主と買主にこのように差をつけるのは、一見不公平にも見えます。しかし土地の場合には、引渡しまでは売主が管理支配しているのですから、買主が勝手にその土地に立ち入ったり測量をかけたりできず手が出せません。また土地にかかる税金を安くするため、実際よりも面積を小さく登記しているといったこともママあるので一概に不公平とはいえません。
 売主は、売買契約を交わすまでは自分の土地なのですから、現況をしっかり把握し、慎重に契約書をつくって手続をしないと法の救済は受けられません。

 本事案では、売主の責任というより測量会社が間違って面積を出してしまったのが原因でしたので、損害は測量会社が負担したのでしょうが、特に金額が大きな不動産取引においては、後々禍根を残さないように売買の準備や契約は進めたいものです。
 なお、数量指示売買においては、例えば土地の坪数だけ表示しても当然に数量指示売買となるものでなく、一定の面積等があることを売主が契約において表示し、かつ、その数量を基礎として代金額が定められていることが要件とされていますので、契約書をつくる時には注意が必要です。

当事務所がお手伝いします 売買契約書作成、示談・合意書作成