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【事 案】 有料サイトの架空請求被害にあったとき、犯人が使った銀行口座と電話の名義人に賠償請求できるか?

【結 論】  銀行口座名義人、電話名義人ともに賠償責任を負う。(京地判H17.10.26)

 インターネット有料サイトの架空請求、振込詐欺(いわゆるオレオレ詐欺)などの被害は現在でもなお続いています。
 本事案では、詐欺をした犯人は特定できなかったものの、振込に使われた銀行口座の名義人と、犯罪に使われた携帯電話をレンタルした会社に対する損害賠償と慰謝料請求が認められました。

 事件の概要は、利用した覚えがないインターネット有料サイトから「利用料金を払わないと裁判沙汰になる。あなたの勤め先も住所も調べてある」などと脅迫めいた電話があり、被害者は約83万円を振り込んでしまったものです。
 口座を開設した被告は「知人から頼まれ、利用目的も知らないまま銀行口座を開設した」と弁明しましたが、裁判所は架空請求詐欺のような不正行為に使われることを、少なくとも未必的に認識していた(不正行為に使われるかどうかが確実ではないが、使われてもしょうがないと思う情況)はずだとの理由で、振り込んだ金額の損害賠償請求を命じました。
 また振り込んだ後ですが、犯人はさらに別の携帯電話を使って「100万円払って欲しい」と連絡してきました。そのときに使われた携帯電話が、本人の確認が不十分なままに貸し出されたレンタル携帯だったことから、レンタルした会社への慰謝料請求が認められたものです。

 当時は、銀行の口座開設も携帯電話契約でも本人確認は現在ほど厳しくはなかったのですが、このような事件や裁判例を経てだんだん厳格化されてきたと言えます。
 最近は、銀行を経由しないで現金を直接手渡す方法やクレジットカードを使うなど、手口が巧妙になってきています。もっとも、銀行口座の売買なども相当数行われているようですので、まだまだ振込詐欺には注意が必要です。

 また、いわゆる飛ばしと呼ばれる違法な携帯電話売買も行われているようです。自分の銀行口座が犯罪に使われるかもしれないなどと認識しつつ他人に譲ったり、携帯電話を譲ったりする行為は相当重いペナルティを覚悟しないといけません。
 詐欺ではないかと疑わしいときは、絶対にこちらから相手に連絡してはならず、多少怒りを覚えたとしても放置するのが賢明です。
 振り込んでしまったり執拗な請求に遇っている場合には、もはや犯罪の被害者ですので法律家に相談して適法に対処する勇気も必要です。

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