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【事 案】 文化サークルだと思って参加したら、物品購入やセミナー参加を強いられたときはその団体にどんな請求ができるか?

【結 論】  利益獲得目的あるいは宗教団体であることを隠していたときは違法となり、損害賠償請求ができる。(広高岡支判H12.9.14)

 宗教団体を装って色々な勧誘をする手口が未だに横行しています。信教の自由は憲法で保障されていますので、どこまでが宗教上の行為として許されるのか、どのような行為に至れば不法行為責任が問えるのかを判断するのはなかなか難しいところです。

 本事案は、問題を起こしながらも現在も活動している宗教法人の信者が役員となり、大理石の壷、多宝塔、健康食品などの輸入販売会社が展示会や販売会を開いて、多額の献金をさせてきた。
 ただしその販売方法において、借りてでも天に捧げようとする心がなくてはならない。このまま生活を続けていたら大変なことになる。女性ばかりの家系はこの後途絶えてしまうなどと不安をかき立てる霊感商法を行った。
 さらに文化サークルを装って誘い込んだ者にアンケートを記入させて、家族情報や財産等に関する情報を収集し、組織のメンバーが周到に計画したスケジュールに従って、被害者の自由意志を制約して入信させるなどの行為を行ってきたものです。

 裁判所は、正当な宗教活動として許されるか、民法上の違法行為になるかの判断基準を、社会通念上正当な目的に基づき、方法、結果が相当である限り正当な宗教活動の範囲にあると認めました。
 しかし、専ら利益獲得などの不当な目的である場合、あるいは宗教団体であることをことさらに隠して勧誘し、いたずらに害悪を告知して相手方の不安を煽り、困惑させて不当に高額な献金をさせるといった目的、方法、結果が社会的に相当な範囲を逸脱している場合には民法上の不法行為にあたるとしました。

 本事案では、たとえ一見して参加者の自由意思で決断しているようにみえても、全体として客観的にみると、予め個人情報を集め、献金、入信に至るまでのスケジュールも決めた上で行われていること。またことさらに虚言を弄して正体を偽ったり欺罔によってひとの自由意思を制約して、執拗に迫っていることなどから、正当な宗教活動の範囲を超えたものと言わざるをえません。さらに計画的に宗教団体の信者が関与しているのですから、関連会社の行為だからといっても、使用者責任を問われるのはまぬがれられません。

 マインドコントロールに陥っていたかどうかの判断は難しいですが、どこか騙されているような感じがした、約束と違う、金品を要求する目的でことさらに不安になるような言動をされたといったときは、もはや宗教などではなく立派な不法行為です。そのような団体と不幸にも関わり合ってしまったときは、一刻も早くそこから抜け出して、法的措置をとるようにしてください。

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