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【事 案】 個人会社の経営者を車ではねてケガをさせてしまったとき、会社の営業損失まで損害賠償しなければならないか?

【結 論】 会社の営業損失まで賠償しなければならない場合がある。(最判S43.11.15)

 法人形態で薬局をやっていた個人会社の経営者の事案です。法人とは名ばかりで、経済的に被害者と法人が一体をなす関係にあるものと認められる場合には、経営者のケガと法人の損害に相当因果関係が認められるとして、裁判所は会社の損失まで賠償すべきだと判示しました。

 一方、経営者が交通事故で死亡した後も企業が存続して収益をあげていた事案では、経営者と企業の一体性はより小さくなります。そこで、経営者の収入全部がその企業から得たものとはいえないとの理由で損害賠償は減額されました。(S43.8.2)

 判断基準は自然人である経営者と法人との同一性にあるようです。経営者と法人が一体とみられる場合には、法人の損失も損害賠償の範囲に入る可能性が大きくなります。一方、一体性が小さい場合には法人の損失まで請求される可能性は小さくなる。

 交通事故という社会的にみてひとつの現象にすぎず、それも過失なのに、経営者と法人に一体性が認められるか否かという偶然の事情で、損害賠償額が変わるというのもおかしな話とも思われます。しかしそのような偶然のでき事であれ、自動車を操作する以上加害者は危険を引き受けなければならないということです。

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